会計年度任用職員として働くなかで、勤勉手当の金額がどのように決まるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。特に「成績率」が評価にどう関わるのか、また勤勉手当の計算方法や、勤勉手当にはいつの成績が反映されるのかは重要なポイントです。
さらに、期間率の扱いや、勤勉手当が欠勤によってどうなるのかなど、具体的なルールは分かりにくいものです。
この記事では、会計年度任用職員の勤勉手当と成績率の仕組みについて、基本的な評価方法から計算のルールまで、分かりやすく解説していきます。
- 勤勉手当が支給される目的と期末手当との違い
- 勤勉手当の具体的な計算方法と成績率の関係
- 勤務成績(成績率Aなど)がどのように評価されるか
- 欠勤やパートタイム勤務など具体的なケースでの取り扱い
【会計年度任用職員】勤勉手当と成績率の基本

- 勤勉手当を支給する理由は何ですか?
- 期末手当との違いと「期間率」とは?
- 勤勉手当の具体的な計算方法は?
勤勉手当を支給する理由は何ですか?
勤勉手当が支給される主な理由は、職員の勤務意欲の向上と、勤務成績を適切に処遇へ反映させるためです。
従来、会計年度任用職員への勤勉手当の支給は法的に明確ではありませんでした。しかし、令和6年度(2024年度)からの地方自治法改正により、常勤職員との待遇格差を是正する目的も含め、支給が可能となりました。
これは、単に給与を補うものではなく、日々の努力や成果が評価され、報酬として還元される仕組みを整えることで、職員がより良い成果を目指す動機付けとすることを狙いとしています。
つまり、公平な評価と報酬体系を通じて、職員一人ひとりのやる気を引き出すことが支給の大きな目的です。
期末手当との違いと「期間率」とは?

期末手当と勤勉手当は、どちらもボーナス的な性格を持ちますが、その目的に明確な違いがあります。
期末手当は、主に在職期間に応じて支給される手当です。職員の生活への補填といった意味合いが強く、勤務成績が大きく影響することは少ないのが特徴です。
一方、勤勉手当は、個々の勤務成績を反映させる報奨的な手当です。日々の業務への取り組みや成果が「成績率」として評価され、支給額が変動します。
期間率とは
期間率(在職期間別割合)は、主に期末手当の計算で用いられる係数です。
これは、基準日(通常6月1日や12月1日)以前の6ヶ月間の在職期間に応じて、支給割合を調整するためのものです。例えば、在職期間が6ヶ月あれば100%支給されますが、在職期間が3ヶ月以上5ヶ月未満の場合は60%になる、といった形で調整が行われます。
このように、二つの手当は性質が異なり、期間率は主に期末手当において在職期間に応じた公平な支給を行うために使われます。
勤勉手当の具体的な計算方法は?
勤勉手当の支給額は、一般的に「基本額 × 期間率 × 成績率」という計算式で算出されます。
各要素が組み合わさることで、勤務実態と人事評価に基づいた公平な支給額が決定される仕組みです。
基本額
基本額は、勤勉手当の計算の基礎となる金額を指します。
フルタイムの会計年度任用職員の場合、一般的に報酬月額(基本給)と、地域手当などの諸手当を合計した額が基準となります。
期間率
前述の通り、期末手当では在職期間に応じて割合が細かく定められています。勤勉手当においても、この期末手当と同様に、基準日までの在職期間に応じた期間率が乗じられることが一般的です。
成績率
成績率が、勤務評価を支給額に反映させるための最も重要な部分です。
人事評価の結果に基づき、職員ごとに異なる割合が設定されます。例えば、標準的な評価を「1.0」とした場合、優秀な評価(SやA)では「1.2」などに、評価が標準を下回る場合は「0.8」などに変動します。
したがって、同じ基本額や期間率であっても、勤務成績(成績率)次第で勤勉手当の支給額は変わってきます。
【会計年度任用職員】勤勉手当と成績率の評価と実務

- 勤務成績は具体的にどう評価されますか?
- 成績率Aはどのくらいの成績ですか?
- 勤勉手当はいつの成績が反映されますか?
- 勤勉手当と欠勤控除の関係は?
- パートタイム職員も勤勉手当は出ますか?
- 勤勉手当の支給日はいつですか?
- 【会計年度任用職員】勤勉手当の成績率と評価基準(まとめ)
勤務成績は具体的にどう評価されますか?
勤務成績は、所属長(課長や係長など)が実施する人事評価によって決定されます。
これは、勤勉手当の成績率に客観性と公平性を持たせるため、各自治体で定められた統一の基準に基づいて行われるものです。
評価のプロセスは自治体によって異なりますが、一般的には期のはじめに業務目標を設定するための面談を行い、期末に職員自身による自己評価と、上司による評価が行われるという流れが取られます。
評価項目には、担当業務の達成度、業務の正確性や迅速性、職務に対する責任感、他の職員との協調性などが含まれます。
評価の結果は、多くの場合、フィードバックのための面談で職員本人に伝えられますが、こうした運用は自治体によって差がある点に留意が必要です。
このように、定められた人事評価のプロセスを経て、個々の勤務成績が判断されます。
成績率Aはどのくらいの成績ですか?

成績率のA評価は、一般的に「標準」または「良好」とされる区分であり、多くの職員が該当する可能性があります。
ただし、A評価の位置づけは自治体によって異なります。
例えば、「S(特に優秀)」「A(優秀)」「B(標準)」「C(やや不良)」「D(不良)」のように5段階で評価が設定されている場合があります。この場合、A評価は標準であるB評価よりも優れた成績を収めたことを示します。
一方で、A評価自体を「標準」として位置づけ、それより下位の評価(BやC)も設定されている制度も存在します。
該当者の割合も自治体の配分方針によりますが、上位のS評価やA評価に該当するのは全体の30%程度に絞られ、多くの職員(50%以上)がB評価(標準)となるといった運用も見られます。
一口にA評価と言っても、ご自身の自治体の制度において、A評価が「標準」なのか、それとも「標準より上」なのか、その位置づけを確認することが大切です。
勤勉手当はいつの成績が反映されますか?
勤勉手当には、支給日の直近にあたる評価期間の勤務成績が反映されます。
勤務成績に応じて支給するという手当の性質上、できるだけタイムリーな評価を反映させる必要があるためです。
具体的な評価対象期間は、多くの自治体で以下のように設定されています。
- 6月期の手当
一般的に、前年の10月1日から当年3月31日までの勤務成績 - 12月期の手当
一般的に、当年の4月1日から当年9月30日までの勤務成績
このように、年2回の支給は、それぞれ直前の約半年間の働きぶりを評価したものと言えます。
ただし、この評価期間(判定期間)は、自治体によって若干異なる場合があるため、ご自身の所属する自治体の規定を確認することが望ましいです。
勤勉手当と欠勤控除の関係は?

欠勤がある場合、勤勉手当が減額される可能性があります。
勤勉手当は日々の勤務実績に基づいて支給されるため、勤務しなかった期間(欠勤)は、支給額の計算に影響を及ぼします。
まず、欠勤控除は「ノーワーク・ノーペイの原則」に基づき、毎月の報酬(給与)から差し引かれます。
勤勉手当の計算においては、欠勤日数に応じて支給割合(期間率や成績率)が調整されるのが一般的です。
ただし、注意点として、年次有給休暇や、法律に基づく育児休業、介護休暇など、正当な理由が認められている休暇は欠勤として扱われず、減額対象とならない場合がほとんどです。
減額の対象となるのは、主に無断欠勤や、自己都合による無給の休暇などです。したがって、報酬と同様に、勤勉手当においても日々の勤務実績が反映される仕組みになっています。
パートタイム職員も勤勉手当は出ますか?
パートタイムの会計年度任用職員も、一定の条件を満たせば勤勉手当の支給対象となります。
令和6年度(2024年度)からの地方自治法改正により、常勤職員との待遇格差を是正するため、パートタイム職員への勤勉手当支給が法的に可能となりました。これにより、パートタイムで働く職員の意欲向上も期待されています。
主な支給条件
自治体によって詳細は異なりますが、支給対象となるには一般的に以下の条件を満たす必要があります。
- 任用期間が6ヶ月以上であること
- 週の勤務時間が一定時間(例:15時間30分や20時間など)以上であること
勤務時間が極端に短い場合や、任用期間が6ヶ月に満たない短期間の場合は、支給対象外となる可能性があります。
また、常勤職員とは支給月数や計算の基準が異なる場合もあるため、詳細は所属自治体の規定を確認する必要があります。
勤勉手当の支給日はいつですか?

勤勉手当の支給日は、常勤職員のボーナス(期末・勤勉手当)支給日と同時期である「6月30日」と「12月10日」に設定されている自治体が一般的です。
事務処理の都合上、また常勤職員との均衡を図る観点から、支給日は統一されていることが多いためです。
ただし、注意点として、支給日が土曜日、日曜日、または祝日にあたる場合は、その直前の平日に前倒しで支給されるのが通例です。
これも自治体の条例や規則によって定められていますので、正確な日付は勤務先の情報や給与明細などで確認してください。
【会計年度任用職員】勤勉手当の成績率と評価基準(まとめ)
記事のポイントをまとめます。
- 勤勉手当は職員の意欲向上と成績反映が目的
- 期末手当は在職期間、勤勉手当は勤務成績を重視
- 勤勉手当の計算式は「基本額 × 期間率 × 成績率」
- 成績率は人事評価(業績評価や能力評価)で決まる
- 評価者は主に所属長(課長や係長)
- 成績率A評価は「標準」または「良好」が一般的
- S評価やA評価など上位の割合は限定的
- 6月期の手当は前年10月~3月の成績を反映
- 12月期の手当は当年4月~9月の成績を反映
- 無給の欠勤は勤勉手当の減額対象になる
- 有給休暇や育児休業は減額対象外
- パートタイム職員も一定の条件(任期・時間)で支給対象
- 法改正によりパートタイム職員の待遇改善が進んだ
- 支給日は一般的に6月30日と12月10日
- 会計年度任用職員の勤勉手当と成績率は自治体の規定確認が大切


