会計年度任用職員として働く中で、「自分のボーナスは一体どうなるのだろう?」と疑問に感じていませんか。フルタイムとパートタイムのどちらの形態であっても、賞与に関する正確な情報は分かりにくいものです。
特に、具体的な支給条件や2025年の賞与がいつになるのか、そして複雑な計算方法については、多くの方が知りたい点だと考えられます。また、会計年度任用職員として働き始めたばかりの1年目に、ボーナスがいくらもらえるのかは大きな関心事ではないでしょうか。
この記事では、そうした疑問や不安を解消するために、会計年度任用職員の賞与に関する情報を網羅的に解説します。
- 賞与が支給されるための具体的な条件
- 採用1年目を含めたボーナスの計算方法
- 正規職員との待遇の違いや注意点
- 退職や産休といった特別なケースでの対応
【会計年度任用職員】賞与の基本|支給条件と仕組み

- フルタイムとパートの違い
- 会計年度任用職員は賞与をもらえる?
- 賞与の支給条件は?在職期間や勤務時間を確認
- 1年目のボーナスは満額じゃない?在職期間ごとの支給率
フルタイムとパートの違い

会計年度任用職員制度を理解する上で、まずフルタイムとパートタイムの違いを知ることが大切です。この二つの区分は、勤務時間だけでなく、給与形態や待遇にも影響を与えます。
フルタイムの職員は、基本的に正規職員とほぼ同じ週38時間45分程度の勤務となります。そのため給与は月給制が主であり、安定した収入が見込めます。一方で、パートタイムの職員は週の勤務時間がフルタイムより短く設定されており、給与は時給制で支払われることが一般的です。
待遇面での大きな違いは、退職手当の有無にあります。フルタイムで6ヶ月以上勤務した場合は退職手当が支給されますが、現在の制度ではパートタイムの職員には支給されません。
このように、働き方の柔軟性が高いパートタイムと、より安定した待遇のフルタイムという特徴を理解することが、自身の働き方を考える上で鍵となります。
比較項目 | フルタイム | パートタイム |
勤務時間 | 週38時間45分程度 | フルタイム未満(例:週20~30時間) |
給与形態 | 月給制が主 | 時給制が主 |
賞与(期末・勤勉手当) | 支給あり | 支給あり |
退職手当 | 支給あり(6か月以上の勤務等) | 原則、支給なし |
社会保険 | 地方公務員共済組合など | 勤務条件により加入 |
副業 | 原則禁止(許可が必要) | 可能(届出が必要な場合あり) |
会計年度任用職員は賞与をもらえる?

多くの方が最も知りたい点ですが、会計年度任用職員も賞与を受け取ることが可能です。これは、地方自治法や各自治体の条例によって定められています。
会計年度任用職員に支給される賞与は、一般的に「期末手当」と「勤勉手当」の二つで構成されます。期末手当は在職期間に応じて支給されるもので、勤勉手当は勤務成績を評価して支給されるものです。以前は期末手当のみが対象でしたが、法改正により勤勉手当も支給されるようになり、正規職員との待遇差を是正する動きが進んでいます。
したがって、フルタイム・パートタイムを問わず、定められた条件を満たしていれば、会計年度任用職員として賞与(期末手当および勤勉手当)を受け取ることができます。
賞与の支給条件は?在職期間や勤務時間を確認

賞与を受け取るためには、いくつかの具体的な条件を満たす必要があります。これらの条件は自治体の条例によって細かく定められていますが、一般的に共通する主要なポイントが三つあります。
一つ目は、基準日に在籍していることです。賞与は通常、6月1日と12月1日の年2回、基準日が設けられており、この日に職員として在籍していることが支給の絶対条件となります。
二つ目は、一定の在職期間があることです。多くの自治体では、任用期間が6ヶ月以上ある職員を支給対象としています。そのため、任用期間が短い場合は対象外となる可能性があります。
三つ目は、週の勤務時間です。例えば、週の勤務時間が15時間30分以上といった基準が設けられている場合があります。これらの条件を全て満たすことで、賞与の支給対象となる仕組みです。
1年目のボーナスは満額じゃない?在職期間ごとの支給率

採用されて1年目の賞与は、多くの場合、満額支給にはなりません。これは、賞与額が査定期間中の在職日数に応じて計算される「在職期間ごとの支給率(割落とし)」という仕組みが適用されるためです。
例えば、4月1日に採用された場合を考えてみましょう。夏の賞与の査定期間は、多くの自治体で前年の10月からその年の3月までです。
この場合、4月採用の職員は査定期間に全く在籍していないため、夏の賞与は支給されないか、支給されても寸志程度になることがほとんどです。
一方で、冬の賞与については査定期間(例:4月1日~9月30日)の多くに在籍しているため、満額に近い額が支給される傾向にあります。このように、採用初年度の賞与は、入社時期と査定期間との関係で支給額が変動することを覚えておく必要があります。
【会計年度任用職員】賞与の疑問を解決|計算と注意点

- ボーナス支給額の計算方法と平均相場
- 【2025年】賞与の支給日はいつ?夏と冬の時期
- 勤勉手当も支給?法改正による変更点
- 退職・産休・育休時、ボーナスはもらえる?
- 【会計年度任用職員】賞与のポイント(まとめ)
ボーナス支給額の計算方法と平均相場

ボーナスの支給額がどのように決まるのか、具体的な計算方法を見ていきましょう。計算は少し複雑に見えますが、基本的な構造は以下の式で表せます。
支給額の計算手順
- 基礎額の確認
まず、計算の基礎となる「基礎額」を確認します。これは一般的に、給料(または報酬)の月額が該当します。 - 支給月数の適用
次に、自治体の条例で定められた「支給月数」を掛け合わせます。例えば、期末手当が1.2ヶ月分、勤勉手当が1.0ヶ月分といった形で決められています。 - 期間率の乗算
最後に、査定期間中にどれくらいの期間在籍していたかを示す「期間率」を掛け合わせます。例えば、査定期間6ヶ月のうち、6ヶ月すべて在籍していれば期間率は100%ですが、3ヶ月しか在籍していなければ50%となります。これが、1年目の賞与が満額にならない理由です。
この計算で算出された総支給額から、社会保険料や所得税が控除された金額が、実際に手元に振り込まれる手取り額となります。手取り額は、総支給額のおおよそ8割程度になるのが一般的です。
【2025年】賞与の支給日はいつ?夏と冬の時期

2025年の賞与がいつ支給されるのか、具体的なスケジュールは多くの方が気になるところです。地方公務員である会計年度任用職員の支給日は、国家公務員の支給日に準じることが多いため、一つの目安となります。
夏の賞与
国家公務員の夏の賞与支給日は、2025年6月30日(月)です。多くの自治体でも、この日に合わせて支給されると考えられます。
冬の賞与
国家公務員の冬の賞与支給日は、2025年12月10日(水)です。こちらも同様に、多くの自治体でこの日が支給日となる見込みです。
ただし、支給日は各自治体の条例で最終的に定められるため、必ずご自身の所属する自治体の情報を確認してください。支給日が土日や祝日にあたる場合は、その直前の平日に前倒しで支給されるのが通例です。
勤勉手当も支給?法改正による変更点

近年、会計年度任用職員の待遇において大きな進展がありました。それが、勤勉手当の支給対象が拡大されたことです。
2024年度(令和6年度)から、地方自治法の改正により、これまで支給対象が限定的だったパートタイムの会計年度任用職員にも、勤勉手当を支給することが可能になりました。勤勉手当は勤務成績に応じて支給されるため、仕事への貢献がより評価され、報酬に反映されやすくなったと言えます。
この法改正は、会計年度任用職員のモチベーション向上や、正規職員との待遇格差の是正を目的としています。制度上、フルタイム・パートタイムを問わず、勤務評価に基づいた勤勉手当を受け取る権利が確立された点は、大きな変更点です。
退職・産休・育休時、ボーナスはもらえる?

年度の途中で退職する場合や、産休・育休を取得する際のボーナスの扱いについても、あらかじめ知っておくと安心です。
退職する場合
退職時にボーナスが支給されるかどうかは、「基準日(6月1日または12月1日)に在籍しているか」が判断の分かれ目となります。
基準日より前に退職してしまうと、たとえ査定期間中に勤務していたとしても、原則として支給対象外となります。ボーナスを受け取ってから退職を考えている場合は、この基準日を意識することが大切です。
産休・育休を取得する場合
産休や育休を理由として、ボーナスを支給しないなどの不利益な扱いをすることは法律で禁止されています。したがって、産休・育休期間中であっても、支給条件を満たしていればボーナスは支給されます。
ただし、査定期間中に勤務実績がない期間については、その分が支給額から減額される場合があります。この計算方法は自治体によって異なるため、事前に担当部署に確認しておくと良いでしょう。
【会計年度任用職員】賞与のポイント(まとめ)
この記事で解説した会計年度任用職員の賞与に関する重要なポイントを、以下にまとめました。
- 会計年度任用職員にも賞与は支給される
- 賞与は「期末手当」と「勤勉手当」で構成される
- フルタイムとパートタイムの両方が支給対象
- 支給には基準日在籍や在職期間などの条件がある
- 採用1年目の賞与は在籍期間に応じて按分される
- 夏の賞与より冬の賞与の方が多くなる傾向
- 計算方法は「基礎額 × 支給月数 × 期間率」が基本
- 総支給額から社会保険料と所得税が引かれる
- 手取り額は総支給額の約8割が目安
- 2025年夏の支給日は6月30日、冬は12月10日が目安
- 法改正により勤勉手当の支給が拡大された
- 正規職員との間にはまだ支給月数などで差がある
- 退職時は基準日に在籍しているかが鍵
- 産休や育休を理由に不支給にはならない
- 正確な情報は必ず所属する自治体の条例で確認する
