公務員を目指す中で、「県庁職員と市役所職員の違いがよく分からない」と感じている方は多いのではないでしょうか。どちらも地域に関わる大切な仕事ですが、その業務内容や働き方にははっきりとした違いがあります。
本記事では、「県庁職員と市役所職員の違い」を軸に、それぞれの仕事内容や志望動機の違い、採用試験の難易度比較、さらにどっちが楽なのかという視点まで丁寧に解説します。
また、県庁で働くメリットや、どんな人にどちらの仕事が向いているかといったポイントも紹介しています。進路選びに悩んでいる方が、自分に合った公務員像を見つけるためのヒントになる内容です。
- 県庁職員と市役所職員の仕事内容や役割の違い
- 志望動機の書き方の違いや伝え方のポイント
- 残業やストレスなど、どっちが楽な職場かの比較
- 試験内容や難易度の違いから向いている人の特徴
県庁職員と市役所職員の違いを徹底解説

- 県庁職員と市役所職員の違いとは?
- 県庁と市役所で志望動機の書き方の違い
- 県庁と市役所を比べるとどっちが楽な職場?
- 県職員と市職員のどっちが向いてる?
- 政令指定都市職員の特徴と魅力
県庁職員と市役所職員の違いとは?
県庁職員と市役所職員は、どちらも住民の生活を支える公務員ですが、役割や業務のスケールが大きく異なります。どちらを目指すか迷っている人にとって、この違いを知ることは大切です。
まず県庁職員は、県全体の視点で政策や事業を動かす仕事を担当します。例えば、広域の道路整備、防災計画、企業誘致など、市町村単位では対応できないような大きな課題に取り組みます。さらに、国と市町村の間に立って調整を行う場面も多く、専門的な知識が求められる仕事が中心です。
一方、市役所職員は、住民と直接関わる地域密着型の業務がメインになります。住民票の発行、子育て支援、福祉相談、ゴミ処理、学校運営など、日々の暮らしに直結したサービスを提供します。そのため、丁寧な説明力や人と接する力が大きなポイントです。
県庁職員は「広く・深く」、市役所職員は「身近に・具体的に」働くのが特徴です。
比較項目 | 県庁職員 | 市役所職員 |
---|---|---|
担当地域 | 県全体 | 一つの市町村 |
主な業務 | 政策立案・調整 | 住民対応・実務 |
関わる人 | 国・市町村職員など | 一般の住民が中心 |
これらを踏まえて、自分が働く中でどのような役割を果たしたいかを考えると、より納得のいく選択ができるでしょう。
県庁と市役所で志望動機の書き方の違い

県庁と市役所では、仕事の性質が異なるため、志望動機の書き方も変える必要があります。同じような内容をそのまま使い回すのは避けましょう。
県庁の場合は、広い視点と政策への関心が伝わる志望動機が求められます。県全体の課題をどう捉え、それにどのように関わっていきたいかを言葉にしましょう。例えば「地域の人口減少に対して、県全体の視点から働きかける政策に興味がある」というように、スケールの大きさに目を向けることが大切です。
一方、市役所では、住民との近い距離感や地域愛がアピールのポイントです。「自分が育った街を、今度は支える立場で盛り上げたい」「目の前の人の悩みを解決できる仕事がしたい」といった、具体的な地域とのつながりがある表現が効果的です。
以下にまとめると、志望動機のポイントは次の通りです。
【県庁志望の場合】
- 広域的な視点(例:県全体の防災政策に関心)
- 国や市町村との連携に興味がある
- 長期的な課題解決への関与を重視
【市役所志望の場合】
- 地元愛や地域への思い
- 住民と直接関わりたい気持ち
- 目の前の課題に柔軟に対応したい姿勢
自分の考えや関心を「その自治体の役割」に重ねて伝えることで、説得力のある志望動機になります。面接でもブレずに話せるよう、具体的な言葉で準備しておきましょう。
県庁と市役所を比べるとどっちが楽な職場?

どちらの職場が楽なのかを比べるとき、大切なのは「残業の多さ」「仕事の重さ」「心の負担」の3つです。楽さの感じ方は人によって変わりますが、ここでは一般的な違いをわかりやすく紹介します。
まず残業時間に注目すると、県庁は年間平均223.2時間ほどで、市役所より多めです。県庁の仕事は計画や調整などが中心で、定型的ではない分、締切に追われることもあります。ただ、窓口対応が少ないため、自分のペースで進めやすい面もあります。
一方で市役所は、市民対応が多いためイレギュラーな仕事が発生しやすいです。とくに確定申告や税の時期は忙しくなりますが、一般的に県庁よりも残業時間は少ない傾向にあります。
比較項目 | 県庁 | 市役所 |
---|---|---|
残業時間 | 年間223.2時間前後 | 年間198.0時間 |
主なストレス | 責任の重さ・成果が見えにくい | クレーム対応・人とのやりとり |
業務の特性 | 自由度が高く自分で進める | 柔軟に対応、気配りが求められる |
参照:時間外勤務の実態調査結果
どちらが楽かは一概に言えません。責任の大きさよりも人とのやりとりに疲れるタイプなら県庁が向いているかもしれません。逆に人と話すことが好きで、感謝される実感がほしい人は市役所の方がやりがいを感じやすいでしょう。
県職員と市職員のどっちが向いてる?

県職員と市職員のどちらを選ぶか迷ったら、自分の性格や大切にしている考え方に目を向けると良いです。仕事内容や環境が大きく違うので、合う・合わないがハッキリ分かれます。
まず県職員に向いているのは、広い視点で物事を考えたい人や、計画的にコツコツ進めるのが得意な人です。大きな政策やインフラ整備などに関わることが多く、成果がすぐに見えなくても根気よく取り組める人が合っています。静かに自分の仕事に集中したい人にもおすすめです。
一方、市職員に合うのは、人と話すのが好きで、すぐに役立っている実感を得たい人です。住民と直接やりとりする仕事が多く、「ありがとう」と言われる場面にもよく出会います。反対に、クレームや急な対応もあるため、柔軟な考え方やストレス耐性も必要です。
向いている人の特徴まとめ
向き | 県職員 | 市職員 |
---|---|---|
性格 | コツコツ、計画重視 | 人と話すのが好き、対応力あり |
適性 | 広い視野、長期的な仕事が得意 | 地域密着、行動力がある |
価値観 | 大きな成果を陰で支えたい | 身近な人の役に立ちたい |
このように考えると、自分に合う仕事のイメージが見えてきます。どちらも社会に必要な仕事ですから、無理に「楽そう」「安定してそう」で選ばず、自分がどう働きたいかをしっかり考えることが大切です。
政令指定都市職員の特徴と魅力

政令指定都市職員は、名前に「市」がついていても、県職員に近い働き方もできる特別な立場です。通常の市役所職員とはちがい、大きな仕事や広い分野を担当できるのが大きな特徴です。
政令指定都市とは、人口50万人以上で、国から特別に指定された大きな市のことです。横浜市や大阪市などがその例で、全国に20都市ほどあります。これらの都市では、市が一部の県の仕事も引き受けているため、職員は市と県の仕事の両方を経験できます。
政令指定都市職員の特徴
- 県レベルの業務も担当(例:児童相談所、精神保健サービスなど)
- 国道や大きな道路の管理なども市が行う
- 市民対応と政策づくりの両方に関わる機会がある
- 財政が豊かで、大きなプロジェクトに関わるチャンスが多い
このような特徴から、やりがいや成長の機会も広がります。
魅力ポイント
- 幅広い経験を積みやすい
- 市民に近い仕事もしながら、大きな計画にも関われる
- 自分の仕事の成果が地域全体に影響するため、達成感が大きい
- 比較的高めの給与水準や安定した待遇も期待できる
一方で、仕事の内容は幅広く、覚えることや責任も多くなります。そのため、柔軟に考えながら行動できる人に向いている職場だと言えるでしょう。
政令指定都市職員は、市役所と県庁の「いいとこどり」のような立場で働ける、魅力的な仕事です。
県庁職員と市役所職員の違いから考える進路選び

- 県職員と市職員の難易度を比較
- 県庁で働くには大学卒は必要?
- 県庁職員のすごい仕事・役割とは?
- 市役所職員のやりがいと魅力
- 県庁で働くメリットは?
県職員と市職員の難易度を比較
県職員と市職員の採用試験は、どちらも公務員試験ですが、内容や受け方にいくつか違いがあります。受験前にポイントを知っておくと、自分に合った進み方が見えてきます。
まず大きな違いは、試験の科目数と出題範囲です。県職員の試験は、法律や経済、行政などの知識を問われる「専門試験」が重視されます。出題範囲が広く、大学で学んだ内容が活かされる場合もあります。一方で、市職員の試験は、文章理解や判断力などの「一般教養」が中心です。特別な知識がなくても対策しやすい傾向があります。
また、倍率や受験人数の差も見逃せません。県職員の試験は、受験者数が多く競争も激しくなりがちです。地域によって差がありますが、概ね2〜4倍程度の倍率となっています。市職員は地域や市の規模によって大きく異なり、2倍台から18倍以上まで幅広い倍率が見られます。
比較まとめ
比較項目 | 県職員 | 市職員 |
---|---|---|
試験内容 | 専門知識中心 | 一般教養中心 |
出題範囲 | 広くて深い | 比較的狭く浅め |
倍率 | 概ね2〜4倍程度 | 市により幅あり(2倍台〜18倍以上) |
受験方式 | 全国統一または県独自 | 各市で個別に実施される場合が多い |
このように見ると、どちらが簡単・難しいとは一概に言えません。自分の学びや得意分野、働きたい地域に合わせて選ぶのが良いでしょう。
県庁で働くには大学卒は必要?

県庁職員になりたいと考えたとき、学歴が気になる人も多いと思います。ですが、大学を出ていなくても県庁で働けるチャンスはあります。
県庁の採用試験は、学歴ごとに「試験区分」がわかれています。たとえば、大学を卒業した人や予定のある人向けの「上級区分」、短大や高専向けの「中級区分」、高校卒業程度の「初級区分」があります。つまり、高卒や専門学校卒でも、初級や中級区分で受験できるのです。
ただし、上級区分の方が採用数が多く、将来の昇進にも有利になる傾向があります。特に政策立案や管理職を目指す場合は、大学卒の方が進みやすい道になることもあるでしょう。
試験区分と対象
区分 | 主な対象者 | 試験内容 |
---|---|---|
上級 | 大学卒業見込み・既卒者 | 専門試験+教養試験 |
中級 | 短大・高専卒レベル | 教養試験中心 |
初級 | 高校卒業レベル | 基本的な一般教養中心 |
とはいえ、県庁によっては人物重視の面接も行われており、学歴よりもやる気や人柄を評価する流れも強まっています。学歴がないから無理だと思いこまず、自分に合った区分でチャレンジすることが大切です。やりたい仕事に合わせて、しっかり準備しましょう。
県庁職員のすごい仕事・役割とは?

県庁職員の仕事は、市役所職員とは違い、もっと広い範囲で地域全体を支えることが求められます。ひとつの町や市だけではなく、「県全体」の課題に取り組むのが大きな特徴です。
主な仕事は、次のようなものがあります。
- 県全体の「総合計画」の立て直し
- 高速道路や大きな橋の整備
- 台風・地震など災害への防災計画
- 工場や企業を県に誘致する産業政策
- 国と話し合いながら行う大型プロジェクト
例えば、山間部と都市部を結ぶ道路を整備したり、大きな災害が起きたときに全市町村を取りまとめたりと、影響の大きな仕事が多いです。
また、国と連携して仕事を進める場面もよくあります。法律に合った内容で県の仕組みを作り変えたり、全国の制度を地域に合わせて調整したりする役目もあります。
県庁職員は「見えないけど大きな支え」をつくる仕事です。やりがいは、地図に残るような仕事に関われることや、何十年先の県の未来をつくる政策にかかわれるところにあるでしょう。スケールの大きさが県庁職員の一番の魅力といえます。
市役所職員のやりがいと魅力

市役所職員のやりがいは、毎日の仕事で地域の人と直接ふれあい、「ありがとう」と言われる機会が多いことです。目の前にいる住民の笑顔や反応を見ながら働けるのが、大きなポイントになります。
市役所の仕事はこんな内容があります。
- 窓口での住民票や戸籍の手続き
- 保育園や高齢者支援の案内
- 公園の整備やイベント運営
- 子どもから高齢者までの福祉サポート
- 地元の企業やお店の応援活動
また、部署の異動が多く、数年ごとに違う分野を経験できるのも魅力のひとつです。福祉や教育、観光や防災など、色々な仕事を経験することで、自分のスキルも広がります。
地域の顔として住民と信頼を築く毎日は、地道ですがやりがいに満ちています。住んでいるまちを、自分の力で少しずつ良くしていけることが、市役所職員の最大の魅力と言えるでしょう。
県庁で働くメリットは?

県庁職員として働く魅力は、安定した生活だけでなく、成長できる環境がそろっている点です。長く働きながらスキルを身につけたい人には、とても向いている仕事です。
まず、給与や待遇面では安心感があります。たとえば、大学卒なら初任給はおよそ21万5,000円前後で、これに手当や年2回のボーナスが加わります。交通費や住まいの手当もあるため、生活は安定しやすいです。また、有給や育休も取りやすく、働きながら子育てしたい人にも合っています。
次に、異動による経験の広さもポイントです。県庁職員は3~5年ごとに部署が変わるため、観光、教育、防災、産業など多くの仕事を学ぶことができます。こうして幅広い経験を積みながら、自分に合った分野を見つけられるでしょう。
また、成長のチャンスもたくさんあります。研修や資格取得の支援があり、希望すればマネジメント能力を伸ばすことも可能です。県や国を動かす大きな仕事に関わる機会もあり、やりがいを強く感じられます。
ただし、異動で引っ越しが必要になる場合もあるため、家族との相談は大切です。県庁職員は「安定」と「成長」の両方を求める人にとって魅力的な働き方といえるでしょう。
県庁職員と市役所職員の違いを徹底解説(まとめ)
記事のポイントをまとめます。
- 県庁職員は県全体を対象にした広域的な政策立案を行う
- 市役所職員は一つの市町村を対象にした住民サービスが中心
- 県庁職員は国や市町村との調整役を担うことが多い
- 市役所職員は住民と直接接する業務が多く、地域密着型の働き方になる
- 県庁職員は専門的な知識や広い視野が求められる
- 市役所職員は柔軟な対応力やコミュニケーション力が重視される
- 志望動機では、県庁は政策視点、市役所は地元愛をアピールするのが効果的
- 残業時間は県庁の方がやや多い傾向にある
- 市役所はイレギュラー対応が多く、繁忙期に業務が集中する
- 県職員は計画的に物事を進めたい人に向いている
- 市職員は人と接するのが好きで行動的な人に向いている
- 県職員の試験は専門知識が重視され、倍率は2〜4倍程度
- 市職員の試験は一般教養中心で、倍率に地域差が大きい
- 県庁では高卒でも採用区分があり、大卒でなくても働ける
- 政令指定都市職員は市と県の業務両方に関わることができる
