こんにちは、ヨウスケです。自治体で働いていたとき、会計年度任用職員の方が案内や問い合わせ対応など、さまざまな仕事を担う場面を見てきました。
民間企業への転職を考えたとき、「職務経歴書には市役所の仕事をどう書けばいいのだろう」「事務補助としか書けない」と迷う方もいると思います。
職務経歴書では、自治体名や任用期間に加えて、自分が実際に担当した仕事・役割・身につけた技能を具体的に書くことが大切です。売上のような数字の実績がなくても、担当業務や仕事で工夫したことを整理すれば、伝えられる材料があります。
この記事では、会計年度任用職員としての職歴の書き方を確認したうえで、架空の民間求人に合わせて職務要約・担当業務・自己PRを作る例を紹介します。
- 自治体名・任用形態・勤務期間の整理方法
- 「事務補助」「窓口対応」を具体的な仕事内容にする方法
- 数字の実績がない場合の職務要約・自己PRの書き方
- 提出前に確認したい事項
会計年度任用職員の民間転職で職務経歴書に書くこと

職務経歴書は、これまでに担当した仕事内容や身につけた能力を、応募先に伝えるための書類です。
履歴書には勤務先や勤務期間などの基本情報を記載します。一方、職務経歴書では「その勤務先で何を担当し、どのような経験をしたか」を詳しく説明します。
例えば、履歴書に「〇〇市役所に会計年度任用職員として勤務」と書くだけでは、窓口対応をしていたのか、書類整理をしていたのか、専門的な業務を担当していたのかは分かりません。職務経歴書では、自分が実際に行った仕事を具体的に示します。
ただし、すべての応募先で職務経歴書の提出が必要とは限りません。まず求人票や募集案内で、必要な書類、指定の様式、枚数、提出方法を確認してください。
ハローワークは職務経歴書について、A4縦1〜2枚程度の自由様式を一般的な目安として案内しています。応募先に指定がある場合は、その条件に合わせましょう。基本的な作成方法は、ハローワークの「職務経歴書の作り方」でも確認できます。
書き始める前に求人票と自分の仕事を確認する

職務経歴書を書き始める前に、応募したい求人票を1件選び、仕事内容と応募条件を確認しましょう。
そのうえで、会計年度任用職員として担当した仕事を書き出します。最初から立派な文章にする必要はありません。
- 誰に対して、どのような仕事をしたか
- どの作業を自分が担当したか
- どのような道具や技能を使ったか
- 判断が必要なとき、誰に確認したか
- 仕事で心がけたことや工夫したことは何か
次に、その中から応募先の仕事内容と関係する経験を選びます。例えば、応募先が問い合わせの一次対応や書類確認を求めているなら、自分が実際に行った窓口案内や書類確認の経験が材料になるかもしれません。
求人条件と自分の経験をどう照らし合わせるか迷う場合は、先に「会計年度任用職員の経験と民間求人の接点を確認する方法」を読んでみてください。この記事では、接点を見つけた後、職務経歴書の文面にする方法を中心に説明します。
自治体名・任用期間・担当業務の書き方

会計年度任用職員の職歴を書くときは、勤務先、所属、任用形態、勤務期間、担当業務を事実に沿って整理します。
会計年度任用職員は、地方公務員法第22条の2に規定された任用制度です。パートタイムとフルタイムの区分があり、仕事内容は職種や勤務先によって異なります。自分の任用通知書などを確認し、実際の任用形態を書いてください。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 勤務先・所属 | 実際に勤務した自治体名、部署名など |
| 任用形態 | 会計年度任用職員であること、パートタイム・フルタイムの区分など |
| 勤務期間 | 実際の任用開始日・終了日、年度による変更 |
| 担当業務 | 自分が実際に担当した作業と役割 |
| 経験・技能 | 業務で使った知識や技能、仕事で工夫したこと |
応募先の様式に「会社名」欄がある場合も、勤務先を実際の自治体名と任用形態が分かるよう、様式に合わせて記載しましょう。
年度ごとに任用されていた場合
複数年度にわたって働いていた場合は、任用通知書などで各年度の期間を確認します。同じ所属で似た業務を続けていた場合も、途中で所属や仕事内容が変わった場合も、読み手が経歴を誤解しないように整理することが大切です。
期間をまとめて記載するか年度ごとに分けるかは、実際の任用状況や応募先の様式によって判断してください。事実と異なる連続勤務に見える表記や、所属・業務の変更が分からなくなる表記は避けましょう。
「事務補助」「窓口対応」を具体的に書く
職名だけでは仕事内容が伝わりにくい場合があります。「事務補助」や「窓口対応」を、実際に行った作業に分けてみましょう。
以下は書き方を示すための例です。経験していない業務を、そのまま自分の職務経歴書に使わないでください。
| 抽象的な表現 | 具体的な表現の例 |
|---|---|
| 事務補助 | 申請書類の整理、記載内容の確認、業務システムへの入力を担当 |
| 窓口対応 | 来庁者への手続き案内、必要書類の確認、担当職員への取次ぎを担当 |
| 電話対応 | 問い合わせを受け、確認済みの事項を案内。不明点は担当職員に確認 |
| 資料作成補助 | 担当職員の指示に基づき、集計表への入力や配布資料の作成を担当 |
「何をしたか」に加えて、「どこまで自分が担当したか」も正確に書きましょう。上司に確認してから案内した仕事を、自分が判断・決定した仕事として記載するのは避けてください。
私が自治体で見た部署では、会計年度任用職員の方がふるさと納税の寄附者からの問い合わせを受け、返礼品の到着時期や受領書の発送について案内していました。必要に応じて委託先や担当職員に確認する場面もありました。
「電話対応」と一言でまとめず、問い合わせの受付、確認、案内という作業に分けると、担当した範囲が伝わりやすくなります。
数字の実績がない場合の職務要約・自己PRの作り方

民間企業への応募では、「売上や改善率のような数字がないと、アピールできないのでは」と悩むかもしれません。しかし、確認できない数字を作る必要はありません。
担当した仕事、使用した技能、仕事で心がけたことを具体的に書くことも、経験を伝える方法です。ハローワークの職務経歴書作成のためのマスターシートも、職務経験や身につけた能力を振り返る資料として参考になります。
職務要約は「どこで、何を担当したか」を短く伝える
職務要約には、勤務先での立場と主な担当業務を書きます。その中でも、応募先の仕事と関係する経験を選ぶと、読み手が経歴をつかみやすくなります。
例えば、実際に窓口案内、申請書類の確認、データ入力を担当した人が一般事務職に応募するなら、その3点を中心にまとめられます。担当していない経理業務や管理業務を付け足す必要はありません。
自己PRは経験と応募先の仕事をつなげる
自己PRは、次の順番で考えると書きやすくなります。
- 実際に担当した仕事を挙げる
- その仕事で心がけたことや使った技能を書く
- 応募先の仕事との接点を示す
- 入社後にどう取り組みたいかを簡潔にまとめる
「正確に作業した」と書く場合も、どの作業で、どのように確認していたかを添えると具体的です。一方、「ミスを大幅に減らした」「業務効率を30%改善した」など、確認できない成果を推測で書いてはいけません。
記入例|窓口・事務経験を民間の一般事務求人に合わせる

ここからは、一つの架空の求人に合わせて、職務経歴書の材料を文章にする流れを見てみましょう。
求人、応募者、職務経歴書の内容はすべて架空の例です。実在する募集や筆者自身の転職経験ではありません。自分の書類を作る際は、実際の求人票と自分の経歴に置き換えてください。
想定する求人と応募者の経験
架空の応募先は、一般事務職を募集している民間企業です。仕事内容には「電話・来客の一次対応」「申込書類の内容確認」「社内システムへの入力」「担当者への取次ぎ」と書かれているものとします。
応募者は、〇〇市役所の〇〇課でパートタイムの会計年度任用職員として働き、来庁者への案内、申請書類の記載確認、業務システムへの入力、問い合わせの受付を担当した設定です。
| 架空の求人にある仕事 | 応募者が実際に経験した設定の仕事 | 職務経歴書で伝えること |
|---|---|---|
| 電話・来客の一次対応 | 来庁者の案内、問い合わせの受付 | 相手への案内と、必要に応じた担当者への取次ぎ |
| 申込書類の内容確認 | 申請書類の記載内容の確認 | 書類の確認経験。ただし、民間企業の申込書類を扱った経験とは書かない |
| 社内システムへの入力 | 自治体の業務システムへの入力 | 入力作業の経験。使用していないソフト名は書かない |
このように接点を確認したうえで、職務要約、担当業務、活かせる経験、自己PRに分けて書きます。
職務経歴書の記入例
【職務経歴書の記入例・架空の一般事務職への応募】
■ 職務要約
〇〇市役所に会計年度任用職員として勤務し、窓口案内、問い合わせの受付、申請書類の記載確認、業務システムへの入力を担当しました。案内内容に不明点がある場合は担当職員に確認し、正確に伝えることを心がけてきました。
■ 職務経歴
勤務先:〇〇市役所
所属:〇〇課
任用形態:会計年度任用職員(パートタイム)
勤務期間:2024年4月~2025年3月
■ 担当業務
- 来庁者への手続き案内、担当職員への取次ぎ
- 電話による問い合わせの受付と、確認済み事項の案内
- 申請書類の記載内容の確認・整理
- 業務システムへのデータ入力
■ 活かせる経験
- 来庁者や電話での問い合わせ内容を聞き取り、必要な担当者へつなぐ経験
- 書類の記載内容を確認し、不明点を担当職員に確認する経験
- 業務システムへ必要事項を入力する経験
■ 自己PR
自治体の窓口業務では、来庁者への案内や問い合わせの受付、申請書類の確認を担当しました。相手の用件を整理し、自分だけで回答できない場合は担当職員に確認してから案内することを心がけてきました。また、書類確認やデータ入力では、必要事項を確かめながら作業を進めました。貴社の一般事務職でも、問い合わせの一次対応や書類確認に取り組む際、確認と情報共有を大切にしたいと考えています。
この例にある任用形態・期間・担当業務は仮の設定です。実際の職務経歴書では、自分の任用通知書や業務経験、応募先の求人票に合わせて修正してください。
専門職経験や資格がある場合はどう書く?

会計年度任用職員の仕事は、窓口や一般事務だけではありません。福祉や技術分野など、専門的な仕事を担当した人もいます。
その場合は、先ほどの事務職向けの例文を無理に当てはめず、自分が実際に担当した業務、使用した知識や技能、保有資格を整理してください。
専門職経験や資格が採用でどう扱われるかは、応募先の仕事内容や資格要件によって異なります。求人票の条件と自分の経験を照らし合わせて判断しましょう。
提出前に確認したいこと

職務経歴書を書き終えたら、応募先の指定と自分の経歴の両方に照らして見直します。
- 勤務先、所属、任用形態、勤務期間が正確か
- 勤務期間や任用形態が履歴書の記載と一致しているか
- 担当していない業務や判断・決定を自分の実績として書いていないか
- 確認できない成果や数字を書いていないか
- 応募先の必須資格・経験を、似た経験があるだけで満たしたことにしていないか
- 求人票で指定された様式、枚数、提出方法に合っているか
- 誤字・脱字がなく、応募先に関係する経験が読み取りやすいか
- 職務上の秘密や第三者の個人情報が含まれていないか
地方公務員法第34条では、職務上知り得た秘密を漏らしてはならず、その義務は退職後も続くとされています。
職務経歴書では、住民や関係者の個人情報、非公開の内部資料、個別の相談内容などを書かず、公開して差し支えない範囲で担当業務を説明しましょう。
職務経歴書についてよくある質問

Q1. パートタイムの会計年度任用職員も職務経歴書に書けますか?
A. 書けます。実際の任用形態と勤務期間を示したうえで、担当した仕事を具体的に説明しましょう。フルタイムとして働いたことにする必要はありません。
Q2. 毎年度任用されていた場合は、年度ごとに分ける必要がありますか?
A.共通の書き方はありません。任用期間、所属、担当業務の変更が正確に伝わることを優先してください。応募先に様式の指定があれば、その条件も確認しましょう。
Q3. 数字で示せる実績がない場合、何を書けばよいですか?
A. 実際に担当した作業、使った技能、仕事で心がけたことを具体的に書きます。確認できない件数や改善率を作る必要はありません。
まとめ|求人票と自分の経験を並べて、下書きを始めよう
会計年度任用職員から民間企業へ応募する職務経歴書では、自治体名や任用期間だけでなく、担当した仕事と自分の役割を具体的に伝えます。
まずは応募したい求人票を1件選び、仕事内容の横に、自分が実際に経験した業務を書き出してみてください。その接点をもとに、職務要約、担当業務、活かせる経験、自己PRの下書きを作れます。
数字の実績を無理に作ったり、経験を大きく見せたりする必要はありません。自分がしてきた仕事を、応募先が理解できる言葉で正確に伝えることから始めましょう。

