会計年度任用職員を辞める前に考えたい3つの進路|正職員・別自治体・民間転職

会計年度任用職員を辞める前に考えたい3つの進路|正職員・別自治体・民間転職

会計年度任用職員を辞めようか迷っているときは、退職するかどうかだけでなく、「辞めたあと、どの道へ進むのか」も一緒に整理しておくことが大切です。

次の進路は、大きく分けると「自治体の正職員を目指す」「別自治体などで会計年度任用職員として働く」「民間企業へ転職する」の3つを軸に考えられます。

ただし、どの道が正解かは人によって違います。今すぐ辞めず、現在の仕事を続けながら採用試験や求人を調べる方法もあります。

この記事では、それぞれの進路について「自分は次にどの道を詳しく調べればよいのか」を判断できるところまで整理します。

  • 会計年度任用職員を辞める前に整理しておきたい条件
  • 正職員・別自治体・民間転職という3つの進路の違い
  • それぞれの進路で最初に確認すること
  • 自分が次に詳しく調べるべき進路
目次

辞める前に現在の条件と優先順位を整理する

辞める前に現在の条件と優先順位を整理する

「辞めたい」と感じているときほど、退職そのものと、次の仕事の選択をいったん分けて考えてみると整理しやすくなります。

辞めたい理由と次の仕事に求める条件を分ける

まず考えたいのは、「今の仕事を離れたい理由」と「次の仕事に求める条件」は同じではないということです。

例えば、今の職場に不満があったとしても、次の職場に何を求めるのかが決まっていなければ、退職後にまた迷ってしまう可能性があります。

次の仕事について考えるときは、少なくとも次のような点を整理してみてください。

  • 自治体で働き続けたいのか
  • 雇用の見通しを重視したいのか
  • 現在とは違う仕事にも挑戦したいのか
  • 勤務時間や働き方を変えたいのか
  • 収入面で最低限譲れない条件は何か

先に自分の希望条件を整理しておくと、正職員、別自治体の会計年度任用職員、民間企業のどれを優先して調べるべきかが見えやすくなります。

今すぐ辞めずに準備する選択もある

会計年度任用職員の任期は、採用日からその会計年度の末日までの範囲で、任命権者が定めます。

ただ、次の進路を考え始めたからといって、すぐに退職しなければならないわけではありません。

現在の仕事を続けながら、正職員の受験資格を確認したり、他自治体の募集を探したり、民間求人を見たりすることもできます。

特に次の仕事がまだ決まっていない場合は、「辞めてから考える」だけでなく、「働きながら選択肢を調べる」という道も残しておくと判断しやすくなります。

進路1|自治体の正職員を目指す

進路1|自治体の正職員を目指す

自治体で長く働きたい気持ちがあるなら、正職員採用を調べるのが一つの選択肢です。

ただし、会計年度任用職員として勤務していることと、正職員として採用されることは別の制度として考える必要があります。

自動登用ではなく採用試験・選考が基本

会計年度任用職員として長く勤務したからといって、全国共通の制度として自動的に正職員になるわけではありません。

自治体の正職員になる場合は、基本的にその自治体が実施する採用試験や選考を受けることになります。

また、受験できる年齢、必要な職務経験や資格、試験区分、試験日程などは、自治体や年度によって異なります。

そのため、正職員を考えている人が最初に確認したいのは、希望する自治体の当年度の採用試験・選考案内です。

会計年度任用職員の経験を生かせる採用例もある

一方で、「会計年度任用職員から正職員を目指す道はまったくない」と考える必要もありません。

総務省では、会計年度任用職員などとして働いた経験を生かせる常勤職員の採用事例を紹介しています。また、自治体独自の制度として、一定の条件を満たした会計年度任用職員が正規職員の採用選考を受けられる例もあります。

例えば宮城県では、障害者を対象としたステップアップ採用制度を設けています。なお、対象となる職員や勤務期間などの要件が定められており、誰でも利用できる制度ではありません。

こうした採用制度は、全国すべての自治体に共通するものではありません。

「今の自治体に経験者向けの採用区分があるか」「自分が受験資格を満たしているか」を、実際の採用案内で確認する必要があります。

進路2|別自治体等で会計年度任用職員として働く

進路2|別自治体等で会計年度任用職員として働く

自治体の仕事そのものは続けたいけれど、現在の職場や勤務条件を変えたい場合は、別の自治体などで会計年度任用職員として働く方法もあります。

応募先の募集要項で条件を確認する

会計年度任用職員は、自治体によって事務職や専門職など、さまざまな職種で募集されています。

実際に、事務職などについて随時登録や募集を行っている自治体の例もあります。

ただし、応募条件や選考方法、任期、勤務時間などは募集ごとに異なります。

同じ「会計年度任用職員」という名称でも、仕事内容や働き方まで同じとは限りません。

別自治体への応募を考えるなら、募集要項で少なくとも次の内容を確認しておきたいところです。

  • 応募資格
  • 仕事内容
  • 勤務日数・勤務時間
  • 任期
  • 選考方法
  • 応募期限

再度任用の扱いは自治体によって異なる

会計年度任用職員について、「何年まで働けるのか」「何回まで再度任用されるのか」が気になる人もいるでしょう。

再度任用については、自治体や職種ごとに異なる運用があります。以前、国の期間業務職員には、公募によらない再採用を同じ人について連続2回までとするよう努める取扱いがあり、総務省のマニュアルでも紹介されていました。

しかし、国のこの取扱いは2024年6月に廃止され、総務省のマニュアルからも例示が削除されています。

もともと会計年度任用職員の再度任用そのものを全国一律2回までと定めたものではないため、現在の任用条件は各自治体の募集要項などで確認する必要があります。

応募先を選ぶときは、ネット上の「○年まで」という情報だけで判断せず、その自治体の現在の募集要項を確認することが大切です。

進路3|民間企業への転職を考える

進路3|民間企業への転職を考える

自治体以外の仕事も視野に入れたい場合は、民間企業への転職も選択肢になります。

ただし、「会計年度任用職員だったから転職で有利」「非正規の公務員だから不利」のように、勤務形態だけで決めつけることはできません。

会計年度任用職員だから有利・不利とは言い切れない

会計年度任用職員として働いた経験が民間企業の採用でどの程度評価されるかは、応募先の求人条件や仕事内容によって異なります。

そのため、「会計年度任用職員の経験は転職で評価される」とも、「評価されない」とも断言できません。

重要なのは雇用形態だけではなく、これまで実際にどのような仕事を担当してきたのかを整理することです。

求人条件とこれまでの仕事内容を照らし合わせる

民間企業を考える場合は、求人票に書かれている仕事内容や必要な経験と、自分が担当してきた業務を照らし合わせてみましょう。

例えば、窓口対応、事務処理、電話対応、パソコンを使った資料作成など、経験してきた内容は人によって違います。

ここで大切なのは、「会計年度任用職員だった」という肩書だけで考えるのではなく、自分が何をしてきたのかを具体的に整理することです。

民間への転職を本格的に考える段階になったら、その経験が希望する求人とどう結びつくかを詳しく確認していくことになります。

自分の経験が希望する仕事とどう結びつくかを整理したい方は、会計年度任用職員の経験を民間求人と照らし合わせる方法をご覧ください。担当した仕事を書き出し、求人票の仕事内容や応募条件と比較する手順を紹介しています。

3つの進路を選ぶ前に確認しておきたいこと

3つの進路を選ぶ前に確認しておきたいこと

ここまでの3つの進路を並べると、違いは次のように整理できます。

スクロールできます
比較項目正職員別自治体等の会計年度任用職員民間企業
選考採用試験・選考募集ごとの選考企業ごとの採用選考
最初に確認すること受験資格・試験区分・日程任期・勤務条件・選考求人条件・仕事内容
現在の経験の扱い採用制度による募集条件等による一律には判断できない
主な確認先当年度の受験案内当年度の募集要項求人票・採用情報

募集要件・期限・収入・健康・家族事情を確認する

進路を比較するときは、仕事内容だけではなく、自分自身の条件も確認してみてください。

  • 応募条件を満たしているか
  • 応募や試験の期限はいつか
  • 次の仕事まで収入が空いても対応できるか
  • 健康面で今の働き方を続けられるか
  • 家族や生活上の条件と合っているか

例えば、正職員を希望していても受験時期が先なら、それまで現職を続けるという判断もあります。別自治体で条件の合う募集が見つかれば、そちらを検討する方法もあるでしょう。

反対に、健康面などから今の仕事を続けること自体が難しい場合もあります。

どれか一つの条件だけで結論を出すのではなく、「自分が今いちばん優先したいことは何か」を整理して選ぶことが大切です。

自分に合う次の一歩を決める

自分に合う次の一歩を決める

この記事を読んだ段階で、3つの進路から最終的な就職先まで決める必要はありません。

まずは「自分はどの道をもう少し詳しく調べたいのか」を一つ決めれば十分です。

正職員を目指したい場合

自治体で長く働きたい気持ちが強いなら、まず希望する自治体の最新の採用試験情報を確認しましょう。

会計年度任用職員としての勤務経験だけで正職員になれるわけではありませんが、採用区分によっては職務経験を生かせる場合もあります。

正職員を目指す場合の採用制度については、会計年度任用職員から正職員になるには?の記事でも詳しく紹介しています。

自治体勤務を続けたい場合

正職員に限定せず、自治体での仕事を続けたい場合は、別自治体の会計年度任用職員募集も確認してみると選択肢が広がります。

ただし、任期や再度任用の条件、勤務時間などは募集ごとに異なります。現在の条件と比べながら確認してください。

民間転職を考えたい場合

自治体以外の働き方に興味があるなら、いきなり応募する前に、自分の仕事内容や得意な業務を書き出してみるところから始めてもよいでしょう。

「会計年度任用職員だった」という一言だけでは、これまでの経験は十分に伝わりません。希望する求人と、自分が実際に経験してきた仕事がどうつながるのかを整理していくことが次の段階になります。

どの進路を選ぶ場合でも、今すぐ退職しなければならないとは限りません。現職を続けながら情報を集め、条件が整ってから動く方法もあります。

会計年度任用職員の進路でよくある質問

会計年度任用職員の進路でよくある質問

最後に、進路を考えるときに誤解しやすい点を整理します。

Q1. 会計年度任用職員から自動的に正職員になれますか?

全国共通の制度として、会計年度任用職員から自動的に正職員へ登用される仕組みがあるわけではありません。正職員は自治体の採用試験・選考を受けるのが基本です。一方で、会計年度任用職員などの経験を生かせる採用制度を設けている自治体の例もあります。希望する自治体の当年度の採用案内を確認してください。

Q2. 別の自治体の会計年度任用職員にも応募できますか?

A. 別自治体でも会計年度任用職員の募集は行われています。ただし、誰でも同じ条件で応募できるわけではありません。資格や経験、勤務条件、選考方法などは募集ごとに異なるため、応募先の最新の募集要項を確認してください。

Q3. 会計年度任用職員は何回まで再度任用されますか?

A. 全国一律に「○回まで」と決まりはありません。再度任用の扱いや上限には、自治体や職種による違いがあります。現在勤務している自治体や応募を検討している自治体の募集要項などで確認する必要があります。

会計年度任用職員を辞める前に考えたいのは、「辞めるべきか、続けるべきか」という二択だけではありません。

正職員を目指す、別自治体等で会計年度任用職員として働く、民間企業へ転職する。まずはこの3つの進路を自分の条件と照らし合わせてみましょう。

募集要件や期限、収入、健康、家族事情などを整理すると、次に調べるべき道が見えやすくなります。

そして、まだ判断できないなら、現在の仕事を続けながら調べても構いません。退職そのものを急いで決めるのではなく、次の選択肢を確認したうえで、自分に合った一歩を選んでいきましょう。

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