公務員のメルカリはどこまでOK?副業規定と注意点を徹底解説

公務員のメルカリはどこまでOK?副業規定と注意点を徹底解説

公務員として働きながら、「家の不用品をメルカリで売りたいけれど、副業として禁止されているのではないか」と、不安に思っている方は少なくありません。

公務員のメルカリ利用が職場にバレる可能性や、万が一の処分についても気になるところです。また、利益が出た場合の確定申告はどうすればよいのか、そもそも公務員がやってもいい副業にはどのようなものがあるのか、疑問は尽きないでしょう。

この記事では、公務員法における副業の定義から、メルカリ利用が許可される範囲、税金の知識、そして実際にあった懲戒処分の事例まで、網羅的に解説します。

最後まで読めば、あなたが抱える不安や疑問が解消され、安心してメルカリを利用するための正しい知識が身につきます。

この記事でわかること
  • 公務員のメルカリ利用が副業規定で禁止されるかの基準
  • 利益が出た場合の確定申告と20万円の壁に関する知識
  • 副業が職場にバレる主な原因と過去の懲戒処分事例
  • メルカリを安全に利用するための具体的な注意点や対策
目次

公務員のメルカリ利用|副業規定と許可される範囲

公務員のメルカリ利用|副業規定と許可される範囲

このセクションでは、公務員のメルカリ利用に関する基本的なルールと考え方について掘り下げていきます。

  • 公務員のメルカリ利用は禁止?「副業」の定義から解説
  • 公務員のメルカリは利益いくらまで?所得20万円の壁とは
  • メルカリでハンドメイド販売は事業?判断基準を解説
  • 公務員がやってもいい副業は?

公務員のメルカリ利用は禁止?「副業」の定義から解説

公務員がメルカリを利用する行為は、必ずしも禁止されているわけではありません。その可否を判断する鍵は、公務員法で定められている「副業」の定義にあります。

法律で制限される副業とは、主に「営利目的」で「継続的・反復的」に行われる事業や事務を指します。これは、公務員が特定の企業の利益のために動くことを防ぎ、職務の公正性を保つための規定です。

このため、自宅にある着なくなった服や読み終えた本など、日常生活で不要になった物を処分する目的で販売する行為は、一般的に「個人の資産処分」と見なされます。営利を目的とした継続的な事業ではないため、副業には該当せず、許可も不要と考えられるのが通説です。

一方で、利益を出すことを目的に商品を安く仕入れて高く売る「せどり」や、継続的に商品を製作して販売する行為は、営利性・事業性が高いと判断され、許可なく行えば副業規定に抵触します。

要するに、その行為が「不用品の処分」なのか、それとも「利益追求のビジネス」なのかという動機によって、扱いは大きく異なるのです。

公務員のメルカリは利益いくらまで?所得20万円の壁とは

公務員のメルカリは利益いくらまで?所得20万円の壁とは

メルカリの利用が税金の面で問題になる基準として、いわゆる「20万円の壁」が存在します。これは、公務員を含む給与所得者が、給与以外の所得の合計額が年間で20万円を超えた場合に、所得税の確定申告が必要になるというルールです。

ここで大切なのは、基準となるのが売上の合計額ではなく、売上から必要経費を差し引いた「所得(利益)」である点です。

例えば、年間の売上が30万円であっても、送料や販売手数料、梱包材などの経費が15万円かかっていれば、所得は15万円となります。この場合、所得は20万円を下回るため、所得税の確定申告は原則として不要です。

ただし、注意点が二つあります。一つは、所得が20万円以下で確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別途必要になるということです。多くの自治体では、所得の金額にかかわらず住民税の申告を義務付けています。

もう一つは、この20万円ルールが適用されるのは、あくまで「不用品処分」のような一時的な所得(雑所得など)の場合です。継続的な営利活動と見なされれば、金額にかかわらず副業規定違反を問われる可能性があるため、税金のルールと公務員法の規定は分けて考える必要があります。

メルカリでハンドメイド販売は事業?判断基準を解説

公務員のメルカリでハンドメイド販売は事業?判断基準を解説

趣味で製作したハンドメイド作品をメルカリで販売したい、と考える公務員の方もいるかもしれません。しかし、ハンドメイド品の販売は、不用品処分とは異なり「事業」と見なされる可能性が高く、特に注意が必要です。

不用品販売が「資産の処分」であるのに対し、ハンドメイド品の販売は材料を仕入れて商品を「製作」し、それを販売して「利益」を得る行為です。この一連の流れは、営利目的の事業活動そのものと判断されやすいのです。

実際に、月に数回程度の取引でも、継続的に利益を得ていたことが原因で懲戒処分に至った事例も報告されています。たとえ本人が「趣味の延長」と考えていても、客観的に見て「反復継続性」があり、「利益を追求する意思」が認められれば、副業規定違反に問われる可能性があります。

したがって、「お小遣い稼ぎ」の軽い気持ちで始めるのは大変危険です。もしハンドメイド品の販売を検討する場合は、その行為が事業と見なされるリスクを十分に理解し、事前に任命権者へ相談することが不可欠です。

公務員がやってもいい副業は?

公務員がやってもいい副業は?人事院の許可基準を解説

公務員の副業は厳しく制限されていますが、メルカリでの不用品販売以外にも、正式な許可を得ることで認められる活動があります。これらの活動は、主に「公益性」が高く、「職務専念義務」に影響を及ぼさないことが前提となります。

人事院のガイドラインなどによれば、以下のようなケースは許可を得て行える副業として例示されています。

  • 不動産投資・賃貸業
    一定の規模(戸建て5棟・アパート10室未満、年間家賃収入500万円未満など)を超えない範囲であれば、資産運用の一環として認められています。ただし、この規模を超える場合は許可が必要です。
  • 執筆活動や講演
    職務に関連しない内容で、単発的なものであれば認められやすい傾向にあります。ただし、継続的に印税や講演料を得る場合は兼業と見なされ、許可申請が求められます。
  • 小規模な農業
    自給自足が目的で、販売がごく小規模な場合は問題ないとされています。
  • NPO法人など非営利団体の活動
    社会貢献活動など公益性が高い活動で、無報酬または社会通念上妥当な報酬であれば許可されることがあります。

いずれのケースにおいても、自己判断で始めるのではなく、必ず事前に所属長や人事担当部署に相談し、定められた手続きに則って許可を得ることが大前提です。

公務員がメルカリで注意すべき処分リスクと税金対策

公務員がメルカリで注意すべき処分リスクと税金対策

ここからは、メルカリ利用に伴う具体的なリスクと、その対策について解説します。万が一の事態を避けるために、正しい知識を身につけましょう。

  • 公務員のメルカリはなぜバレる?住民税からの発覚ルート
  • 公務員がメルカリで処分される?過去の懲戒事例と注意点
  • メルカリで確定申告!住民税を普通徴収にする方法
  • 公務員のメルカリQ&A:家族名義の利用や育休中の扱いは?
  • 公務員がメルカリを安全に利用するために(まとめ)

公務員のメルカリはなぜバレる?住民税からの発覚ルート

「少しくらいならバレないだろう」と安易に考えてしまうかもしれませんが、公務員の副業が発覚するケースは少なくありません。その最大のルートとなるのが「住民税」です。

ほとんどの公務員の住民税は、毎月の給与から天引きされる「特別徴収」という方法で納付されています。住民税の金額は前年の所得に基づいて計算されるため、メルカリなどで副収入を得て所得が増加すると、翌年の住民税額が不自然に高くなります。

毎年、職場には各職員の住民税額が記載された「特別徴収税額の決定通知書」が自治体から送られてきます。その際、経理担当者が「この人の給与水準に対して住民税額が明らかに高い」と気づくことが、副業発覚のきっかけとなるのです。

このほかにも、取引相手や知人・同僚からの通報、あるいは自身のSNSでの発信など、発覚に至る経路はさまざまです。デジタルでの取引は記録が残るため、「バレない方法はない」と考えておくのが賢明です。

公務員がメルカリで処分される?過去の懲戒事例と注意点

公務員がメルカリで処分される?過去の懲戒事例と注意点

副業規定に違反した結果、懲戒処分を受ける公務員の事例は後を絶ちません。処分の重さは、行為の悪質性や利益の額、継続性などによって判断されますが、軽いものでは戒告、重い場合には免職に至ることもあります。

過去には、以下のような懲戒処分の事例が実際に報告されています。

行為の内容発覚の経緯利益・売上処分内容
スニーカーの継続的な転売税務署からの情報提供約1,900万円の利益減給
職員互助会の割引券を転売関係機関からの通報約3.3万円の利益減給
学校で購入した楽器を転売内部調査約12万円の売上懲戒免職

これらの事例から分かるように、「知らなかった」「副業とは思わなかった」という言い分は通用しません。

特に、職務上の立場を利用したり、公共の物品を転売したりする行為は、公務員としての信用を著しく損なうため、極めて重い処分が下される傾向にあります。自身のキャリアを守るためにも、ルールを正しく理解し、遵守することが求められます。

メルカリで確定申告!住民税を普通徴収にする方法

公務員がメルカリで確定申告!住民税を普通徴収にする方法

前述の通り、副業が発覚する主な原因は住民税の通知です。このリスクを低減させる方法として、確定申告時に住民税の納付方法を「普通徴収」に選択することが挙げられます。

「普通徴収」とは、給与から天引きされる「特別徴収」とは異なり、副業で得た所得にかかる分の住民税の納付書が自宅に直接届き、自分で金融機関やコンビニなどで納付する方法です。

確定申告書の第二表にある「住民税に関する事項」の欄で、「自分で納付」にチェックを入れることで、この方法を選択できます。これにより、本業の職場に通知される住民税額に副業分が含まれなくなるため、給与に見合わない税額の増加で副業が発覚するリスクを抑えることができます。

ただし、この方法はあくまで職場にバレるリスクを低減させるための手続きであり、副業自体が合法になるわけではありません。また、自治体の方針によっては普通徴収が認められない場合もあるため、万全な対策ではないことも理解しておく必要があります。

公務員のメルカリQ&A:家族名義の利用や育休中の扱いは?

公務員のメルカリQ&A:家族名義の利用や育休中の扱いは?

ここでは、公務員のメルカリ利用に関してよく寄せられる、より具体的な疑問にお答えします。

家族名義で出品すればバレませんか?

名義が家族のものであっても、実質的に出品や発送、顧客対応などを公務員本人か行い、その利益を受け取っている場合、本人の副業と見なされる可能性が極めて高いです。

税法上も「実質所得者課税の原則」があり、所得は名義人ではなく、実際にその所得を得た人に帰属します。発覚した際には、名義を偽ったとして、より厳しい目が向けられるリスクも考えられます。

育児休業中のメルカリ利用は問題ありますか?

育児休業中であっても、公務員としての身分は継続しており、副業禁止の規定は適用されます。したがって、不用品の処分であれば問題ありませんが、営利目的の活動は規定違反となります。

さらに注意すべきは、育児休業給付金への影響です。継続的な販売活動などが「就業」と見なされた場合、給付金の受給要件(就業日数や収入の上限など)に抵触し、給付額が減額されたり、支給が停止されたりする可能性があります。育休中のメルカリ利用は、より慎重な判断が求められます。

公務員がメルカリを安全に利用するために(まとめ)

最後に、この記事で解説した公務員がメルカリを安全に利用するための重要なポイントをまとめます。

  • 公務員のメルカリ利用は不用品販売なら原則OK
  • 利益目的の転売や継続的な販売は副業と見なされ禁止
  • 副業か否かは営利性・継続性・反復性で判断される
  • ハンドメイド販売は事業と判断されるリスクが高い
  • 所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要
  • 20万円の基準は売上ではなく所得(利益)で計算する
  • 所得20万円以下でも住民税の申告は原則必要
  • 副業がバレる最大の原因は住民税の金額変動
  • 同僚からの通報やSNSでの発信も発覚ルートになり得る
  • 違反が発覚すると減給や停職などの懲戒処分を受ける
  • 過去には学校備品転売で免職になった厳しい事例もある
  • 確定申告時に住民税を普通徴収にすれば職場にバレにくい
  • 家族名義のアカウント利用は実質本人が運営していれば違反
  • 育休中の営利活動は給付金に影響する可能性がある
  • 副業規定で不安な点があれば必ず事前に職場へ相談する
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