会計年度任用職員に退職金はある?支給条件・金額の考え方を解説

会計年度任用職員に退職金はある?支給条件・金額の考え方を解説

会計年度任用職員として働いていると、「退職するときに退職金はもらえるのかな?」と気になる方もいるのではないでしょうか。

正規職員には退職金があるイメージがありますが、会計年度任用職員となると、制度が少し分かりにくいところがあります。

実際には、会計年度任用職員でも、一定の条件を満たせば退職手当の対象になる場合があります。

ただし、「会計年度任用職員なら○か月働けば必ずもらえる」「5年働けば○円くらい」と全国一律ではありません。

フルタイムかパートタイムかによって制度上の扱いが異なり、具体的な支給条件や支給率についても、勤務先の自治体条例などを確認する必要があります。

「自分は対象になるのか」「6か月という話は本当なのか」「実際はいくらくらいになるのか」と気になっている方も多いと思います。

この記事では、会計年度任用職員の退職金について、全国共通で考えられる部分と、自治体によって異なる部分を分けながら整理していきます。

  • 会計年度任用職員が退職手当の対象になる条件
  • フルタイムとパートタイムの違い
  • 退職手当の金額を考えるときの注意点
  • 自分の勤務先で何を確認すればよいか
目次

会計年度任用職員でも退職手当の対象になる場合がある

会計年度任用職員でも退職手当の対象になる場合がある

会計年度任用職員でも、フルタイムで勤務する職員については、退職手当の対象になる仕組みがあります。

会計年度任用職員制度が始まった2020年度以降、フルタイム会計年度任用職員については、地方公共団体の条例に基づいて退職手当を支給できる制度となっています。

まず確認しておきたいのは、自分がフルタイム会計年度任用職員なのか、それともパートタイム会計年度任用職員なのかということです。

また、フルタイムであれば全国の自治体でまったく同じ条件になる、というわけでもありません。

退職手当の対象になる勤務期間や勤務日数、支給率などについては、勤務先自治体の退職手当条例などを確認する必要があります。

そもそも「会計年度任用職員とはどんな制度なのか」「フルタイムとパートタイムで何が違うのか」から確認したい方は、会計年度任用職員の制度・給与・休暇・更新までまとめた記事もあわせて読んでみてください。

退職金の対象になる条件

退職金の対象になる条件

退職手当の対象になるかを確認するときは、いきなり勤続年数だけを見るよりも、まず自分の勤務形態を確認した方が分かりやすいです。

特に、「フルタイムとは何時間働く人なのか」「6か月働けば対象になるのか」というあたりは、勘違いしやすいところです。

フルタイムとパートタイムの違い

会計年度任用職員は、法律上、フルタイムとパートタイムに分けられています。

区分考え方退職手当
フルタイム常勤職員と通常の週勤務時間が同じ一定の条件を満たせば対象になり得る
パートタイム常勤職員より通常の週勤務時間が短いフルタイムとは制度上の扱いが異なる

ここで覚えておきたいのは、「週38時間45分以上ならフルタイム」と全国共通ではないということです。

法律上は、その自治体の常勤職員と通常の週勤務時間が同じかどうかで区分されます。

そのため、自分の勤務時間だけを見て判断するのではなく、任用通知書や募集要項を確認したり、勤務先の人事担当部署に聞いたりして、フルタイムかパートタイムかを確認しておくと確実です。

「6月超・月18日」は全国共通ではない

会計年度任用職員の退職金について調べていると、「6か月」「月18日以上」といった数字を目にすることがあります。

実際に、このような条件を設けている自治体はあります。

例えば、沖縄県与那原町の2026年版「会計年度任用職員のしおり」では、フルタイム会計年度任用職員について、1月あたり18日以上勤務した月が引き続き6月を超える場合に退職手当を支給するとしています。

一方、パートタイムについては、同じ資料の中で退職手当は「なし」とされています。

ただし、この条件が全国の会計年度任用職員にそのまま当てはまるわけではありません。

退職手当の具体的な支給要件は自治体の条例などで定められるため、

  • 何月以上勤務すれば対象になるのか
  • 1か月あたり何日勤務する必要があるのか
  • 勤続期間をどのように数えるのか
  • 退職理由によって扱いが変わるのか

といった点は、勤務先ごとに確認する必要があります。

実際の自治体例を確認したい方は、与那原町「2026年版 会計年度任用職員のしおり」を見ると、支給条件が具体的に掲載されています。

退職金はいくら?計算するときの考え方

退職金はいくら?計算するときの考え方

退職手当の対象になることが分かったら、次に気になるのは「実際、いくらくらいもらえるの?」というところだと思います。

ただ、会計年度任用職員の退職手当について、具体的な金額を示すことはできません。

実際の金額を考えるには、勤務先自治体の条例などで、少なくとも次のような項目を確認する必要があります。

  • 退職手当の算定基礎となる額
  • 勤続期間
  • 勤続年数ごとの支給率
  • 退職理由
  • 1年未満の期間の扱い

退職手当については、算定の基礎となる額や計算方法は、勤務先の条例などで確認する必要があります。

自分の正確な退職手当額を知りたい場合は、勤務先自治体の退職手当条例・規則などを確認したうえで、人事・給与担当部署へ問い合わせるのが確実です。

自治体によっては、退職手当組合などが制度に関わっている場合もあります。

退職金額の自治体例

「会計年度任用職員として5年働いたら、退職金はいくらくらいになるんだろう」と調べている方もいると思います。

例えば玉村町の公表資料では、会計年度任用職員が任期満了で退職する場合の例として、勤続5年の退職手当を4.185月分としています。

自治体の条例によって支給率は異なり、さらに自己都合退職なのか、任期満了など別の退職理由なのかによって、支給率が変わる規定もあります。

「4.185月」という数字は、あくまで自治体制度の一つの具体例として見ておき、自分の場合は勤務先の条例で確認してください。

玉村町の例については、群馬県玉村町「人事行政の運営等の状況」で、勤続年数ごとの退職手当の割合を確認できます。

再度任用や勤務時間変更で注意したいこと

再度任用や勤務時間変更で注意したいこと

会計年度任用職員の任期は、一会計年度を超えない範囲で定められるため、毎年度の再度任用や勤務時間の変更が退職手当にどう影響するのかも気になるところです。このあたりは勤務先の制度を確認しておきたい部分です。

毎年度、再度任用された場合

「年度末で一度任期が終わるなら、毎年勤続年数がゼロに戻るのでは?」と思う方もいるかもしれません。

ただ、再度任用された場合の勤務期間を、退職手当の計算上どのように扱うかについては、自治体の条例などを確認する必要があります。

そのため、「毎年度任期が切れるから必ずリセットされる」のか、それとも「再度任用されれば必ずすべて通算される」とも一律には言えません。

退職を予定している場合や、長く勤務している場合は、あらかじめ給与担当や人事担当へ確認しておくと安心です。

「そもそも再度任用は何回までできるの?」「長く働いていると更新に上限はある?」という点が気になる方は、会計年度任用職員の更新や再度任用について詳しく整理した記事も参考にしてください。

ほぼフルタイムでもパートタイムの場合

もう一つ知っておきたいのが、正規職員より勤務時間が少しだけ短いパートタイム会計年度任用職員の存在です。

2024年の国会答弁では、総務省が、フルタイム職員との勤務時間の差が1日15分以内となっているパートタイム会計年度任用職員について調査したことが示されています。

そのうえで、パートタイムとして位置付けること自体を目的として勤務時間をわずかに短く設定することは適切ではないとの考えを自治体へ助言しています。

つまり、「ほとんどフルタイムと同じ時間働いているのに、少しだけ勤務時間が短い」といったケースについては、国も実態を確認しているということです。

退職金と雇用保険の関係

退職金と雇用保険の関係

退職手当について考えるときは、雇用保険との関係もあわせて見ておきたいところです。

フルタイム会計年度任用職員が一定の条件を満たし、自治体の退職手当制度の対象となる場合には、勤務先自治体の雇用保険の適用除外の取扱いなどにより、雇用保険の被保険者資格にも影響することがあります。

そのため、「会計年度任用職員だから雇用保険に入る」「公務員だから失業給付はない」と単純に考えるのではなく、自分がどの制度の対象になっているのかを確認しておく必要があります。

国や地方公共団体などに雇用される人の雇用保険の適用除外については、厚生労働省の雇用保険法に関する通知でも確認できます。

特に退職を予定している場合は、退職手当だけでなく、雇用保険の加入状況についても勤務先へ確認しておくと分かりやすいでしょう。

よくある質問

よくある質問

最後に、会計年度任用職員の退職金について、特に迷いやすいところを整理します。

Q1. パートタイム会計年度任用職員には退職金はありませんか?

A. フルタイム会計年度任用職員とは制度上の扱いが異なります。例えば与那原町の2026年版資料では、フルタイムは条件を満たせば退職手当あり、パートタイムはなしとされています。ただし、自分の勤務先については自治体の制度を確認してください。

Q2. 6か月働けば必ず退職金がもらえますか?

A. 全国一律に「6か月働けば必ず支給」とは言えません。自治体によっては「1月あたり18日以上勤務した月が引き続き6月を超える」などの条件があります。勤務先の退職手当条例などを確認する必要があります。

Q3. 5年働けば4.185月分もらえますか?

A. 5年勤続で4.185月という支給率を採用している自治体例はありますが、全国共通ではありません。支給率は自治体や退職理由などによって異なる場合があります。

Q4. 再度任用されたら勤続年数はリセットされますか?

A. 再度任用時の勤続期間の扱いを全国一律に断定することはできません。「毎年必ずゼロに戻る」と決めつけず、勤務先自治体の条例や担当部署で確認してください。

まとめ|まず勤務先の制度を確認しよう

まとめ|まず勤務先の制度を確認しよう

会計年度任用職員でも、一定の条件を満たすフルタイム職員などは、退職手当の対象になる場合があります。ただし、退職金について調べるときは、「会計年度任用職員」という肩書だけで判断しないことが大切です。

まずは、

  • フルタイムかパートタイムか
  • 何月・何日勤務すれば対象になるのか
  • 勤続期間をどのように数えるのか
  • 支給率や退職理由の扱いはどうなっているか

を勤務先自治体の条例や規則などで確認してみてください。

自分の条件をきちんと確認してから計算することで、「思っていた金額と違った」という行き違いも避けやすくなります。

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