会計年度任用職員として働いている方やこれから目指す方にとって、退職金がもらえるのかどうかはとても気になるテーマです。特に、計算方法や支給されるための条件が複雑で分かりづらいと感じている方も多いのではないでしょうか。また、退職金が出ないことによって生活面でどのような問題が生じるのか、不安を抱えている人も少なくありません。
本記事では、会計年度任用職員の退職金制度について、基本的な仕組みから具体的な計算方法までをわかりやすく解説します。さらに、5年勤務した場合の退職金額の目安や、支給対象にならないケース、制度上の課題とその背景についても丁寧に紹介していきます。
これから退職金制度を正しく理解し、自分が対象になるかどうかをしっかり確認したい方は、ぜひ参考にしてください。
- 会計年度任用職員に退職金が支給される条件
- 退職金の具体的な計算方法と例
- 5年勤務した場合の退職金の目安
- 退職金制度の問題点と改善の動き
【会計年度任用職員】退職金の基本を解説

- 会計年度任用職員に退職金はありますか?
- パートタイム職員の退職金はどうなる?
- 退職金の計算方法
- 5年勤務した場合の退職金
会計年度任用職員に退職金はありますか?
会計年度任用職員でも、退職金が支給される場合はあります。ですが、すべての人が対象になるわけではありません。支給されるかどうかは、勤務形態と勤続期間によって決まります。
フルタイムで働いている会計年度任用職員は、一定の条件を満たせば退職金を受け取ることができます。たとえば、「1か月に18日以上働いた月が6か月以上続く」などの条件を満たしている場合、退職金制度の対象になります。このような人は、正職員と同じような扱いになり、退職金が支給されることがあります。
一方で、パートタイムの職員や、短期間だけ働いた人は退職金の対象にならないことが多いです。勤務時間が少ない場合や、6か月に満たない勤務では、対象外とされてしまいます。
以下のような点を押さえておくとよいでしょう。
退職金が出る可能性がある人
- フルタイムで働いている
- 18日以上の勤務が6か月以上続いている
- 引き続き同じ働き方をしている
退職金が出にくい人
- パートタイム勤務
- 勤務期間が短い(6か月未満)
- 月の勤務日数が少ない
会計年度任用職員には退職金制度が用意されている一方で、すべての人に同じように支給されるわけではありません。働き方によって大きな差があるのが現状です。自分が対象かどうか、雇用契約や勤務記録をしっかり確認することが大切です。
パートタイム職員の退職金はどうなる?

パートタイムで働く会計年度任用職員には、原則として退職金が支給されません。これはフルタイムの職員と比べて、勤務時間や働く日数が少ないため、退職金制度の対象外とされるためです。
そもそも退職金は、長く、そして一定以上の働き方をした人への「労い(ねぎらい)」として支払われるお金です。そのため、勤務時間が短く、また雇用が不安定なパート職員は、「常時勤務している職員」とは見なされにくいのが現状です。
次のような理由が、退職金が出にくい背景になっています。
退職金が出ない主な理由
- 勤務時間が短く、常勤の基準に届かない
- 1か月あたりの勤務日数が少ない
- 継続勤務の期間が6か月未満など短期雇用が多い
- 条例で退職金支給の対象外とされている
また、同じ職場で長く働いても、雇用契約が毎年更新されていると、勤続年数として通算されないこともあります。たとえば「10年働いていても、毎年3か月だけの勤務」などの場合、退職金は支給されません。
このような実態は、多くの非正規職員にとって不公平だと感じられやすく、制度の見直しを求める声も上がっています。今後、パートタイム職員にも公平な評価と報酬が行き渡るような仕組みが求められています。
退職金の計算方法

会計年度任用職員の退職金は、主に「月給」と「勤続年数」をもとに計算されます。シンプルに見えますが、具体的な算出にはいくつかの注意点があります。
退職金の金額は以下の式で求められます。
例えば、月給が17万円で勤続年数が5年の場合、支給率は「4.185ヶ月分」とされています。この場合の退職金は次のようになります。
支給率は勤続年数が増えるごとに高くなります。ただし、支給率は各自治体の条例で少しずつ異なるため、実際の数値は所属する団体で確認しましょう。
また、時給で働いている人の月給は以下のように計算します。
たとえば、時給1,200円の人であれば、 1,200円 × 7.75 × 21日 = 約195,300円となります。
この金額をもとに退職金を計算することになります。なお、調整手当や期末手当は含まれません。
退職理由(自己都合、死亡など)によっても支給率が変わることがあるため、制度をよく理解したうえで計算に取り組むと安心です。事前に人事課へ確認しておくと、より正確な金額がわかるでしょう。
5年勤務した場合の退職金

会計年度任用職員としてフルタイムで5年間働いた場合、退職金はおおよそ70万円前後になる可能性があります。これは、各自治体の条例や月給の額により多少前後しますが、全国的なモデルケースとしてよく使われている金額です。
5年勤務した際の退職金の計算は、次のような手順で行われます。
退職金の計算例
- 月給:170,000円(例)
- 支給率:4.185ヶ月分(5年勤務時の目安)
- 計算式:170,000×4.185=711,450円
この金額は「基本給」のみをもとに計算されます。通勤手当や期末手当などは含まれません。また、支給率は勤続年数に応じて変わるため、5年未満だと金額は下がり、10年を超えるともっと高くなります。
支給に必要な条件
- 6か月以上継続して勤務している
- フルタイム勤務である(週38時間45分以上)
- 任期終了後、退職する場合
パートタイムや短時間勤務の職員は対象外とされていることが多く、注意が必要です。また、退職理由によって支給額が減る場合もあります。たとえば自己都合退職は、公務都合より支給率が低くなることがあります。
このように、退職金の金額は一律ではありません。自分の勤務条件や自治体の制度を確認して、事前に把握しておくと安心です。不明な場合は、所属する部署の人事担当に問い合わせるのが確実です。
【会計年度任用職員】退職金制度の課題と改善策

- 退職金がないことで生じる問題とは?
- 実例から見る退職金制度の不公平さ
- 制度改善に向けた国と自治体の動き
- 非正規公務員として安心して働くには
- 【会計年度任用職員】退職金制度の課題と改善策(まとめ)
退職金がないことで生じる問題とは?
退職金がない働き方では、将来の生活が不安定になるおそれがあります。なぜなら、退職金は長く働いた人が安心して次の生活に進むための備えだからです。とくに非正規で働く会計年度任用職員にとって、この差は大きく感じられます。
まず、退職金がないことで生まれる主な問題は以下のとおりです。
- 老後の生活資金を自分で全部ためなければならない
- 急な病気やケガに備える貯金が必要になる
- 長く働いても収入が増えにくく、モチベーションが下がる
- 契約が終わればすぐ無収入になる不安
とくに困るのは、年齢を重ねるにつれて転職がむずかしくなる点です。正職員であれば退職金や年金があるため安心できますが、非正規ではその支えがありません。
さらに、仕事内容は正職員とほぼ同じにもかかわらず、退職金や昇給がないことで、働きがいを感じにくくなることもあります。
このような理由から、退職金がない働き方には生活面と気持ちの面、両方で負担が生じやすいのです。自分に合った働き方を選ぶ際は、「退職金の有無」も大切なポイントとして考えておきましょう。
実例から見る退職金制度の不公平さ

退職金制度において、正職員と会計年度任用職員との間に大きな差があるのが現実です。とくに、同じような仕事をしていても、勤務時間が少し短いだけで退職金が支給されない例が多く見られます。
例えば、7時間15分のフルタイムに近い働き方をしていても、8時間勤務ではないというだけで退職金の対象外になります。これは「時短パート」とも呼ばれ、わずかな違いで大きな差が生まれてしまう制度です。
実際の声としては以下のようなものがあります。
- 正職員と同じ仕事をしているのに退職金も昇給もない
- 勤続10年以上でも1年目扱いになり、年休が増えない
- 雇い止めの不安があり、安心して働けない
こうした声は、制度が「均等に扱う」ための仕組みになっていないことを示しています。
退職金は長く働いた人への感謝の気持ちでもあるはずです。それが不公平に扱われている現状は、見直す必要があるといえるでしょう。
制度改善に向けた国と自治体の動き

会計年度任用職員の待遇を良くしようと、国と自治体でも見直しが進められています。とくに退職金や手当の支給に関する制度が少しずつ変わってきました。
まず、国ではフルタイム職員に退職金を支給できるよう法律を改正しました。これにより、6か月以上継続して働いたフルタイムの職員は退職手当の対象になるようになりました。
一方、自治体ごとにも独自の工夫が見られます。
【改善例】
- 最低賃金を下回らないよう給与の見直しを行う
- 期末手当や通勤手当を支給するケースを増やす
- パート職員にも一部手当をつける取り組み
- 再任用の上限回数をなくし、雇用の継続性を高める動き
また、総務省からも「地域の実情に応じた柔軟な対応を」と通知が出されており、無理なく制度改善が進められるよう後押ししています。
まだ課題は多いですが、制度が少しずつ変わっているのは確かです。今後も国と自治体が協力しながら、より公平な働き方に近づくことが期待されています。
非正規公務員として安心して働くには

非正規公務員として長く働くなら、退職金にだけ頼るのではなく、自分自身で将来に備える工夫が必要です。とくに会計年度任用職員の場合は、1年ごとの契約であるうえに、勤務時間によっては退職金の対象外になるケースも多くあります。
このような状況の中で安心して働き続けるには、以下のような工夫が役立ちます。
【キャリア戦略のポイント】
- スキルアップを意識する
自分の業務に役立つ資格をとる、事務スキルを強化するなど、今の仕事に活かせる力を身につけましょう。 - 副業や兼業の検討
自治体によっては副業が認められているところもあります。週末や夜の時間に小さく始めるのも一つの方法です。 - キャリアの見える化
自分がどんな仕事をして、どんな成果を出してきたかをまとめておくことで、他の職場でも役立つ「強み」になります。
【使える制度や支援】
- iDeCoやNISAなどの積立制度を活用
- 自治体やハローワークの研修を受ける
- 労働組合や相談窓口に情報を求める
退職金がなくても、先を見すえた行動をとれば不安を減らすことができます。収入を増やすだけでなく、働き方の幅を広げることにもつながるでしょう。毎年の契約更新に左右されず、自分らしく働くために、できることから準備を始めてみませんか。
【会計年度任用職員】退職金制度の課題と改善策(まとめ)
記事のポイントをまとめます。
- フルタイム勤務の会計年度任用職員には退職金が支給される場合がある
- 支給対象は「月18日以上勤務が6か月以上続く」などの条件が必要
- パートタイム勤務者や短期間の契約者は退職金の対象外となる
- 同じ職場で長く働いても毎年の契約更新では勤続年数が通算されないことがある
- 退職金の計算式は「月給 × 支給率(勤続年数により変動)」である
- 勤続5年での退職金の目安は約70万円とされる(例:月給17万円)
- 時給者の月給は「時給×7.75時間×21日」で換算する
- 自己都合退職と公務都合退職では支給率が異なることがある
- 条例や自治体によって支給対象や金額が変わるため確認が必要
- 退職金がない場合、老後や病気への備えが自分次第となる
- 退職金制度の不公平さが制度見直しの声を高めている
- 7時間15分勤務などフルタイムに近くても対象外になることがある
- 国は制度改善を進めており、フルタイム職員には退職金を支給可能にしている
- 自治体でも独自に手当支給や雇用安定策を講じている例がある
- 非正規として安心して働くにはスキルアップや制度活用が重要である
